2014年3月13日木曜日

神石高原で学んだ事

一月は行って、
二月は逃げて
三月は去る様に過ぎるでしたっけ?

…いや本当そんな感じです。

11月に勉強の為に就職したLファームを今週、3月14日をもちまして退社することになりましたので報告いたします。

雑穀米の収穫と共に始まった修行の日々。
農業者である前に、社会人としての掟が守れていないという事が最大の足かせとなった。
例えば、遅刻…やはり時間を守るという事は、本当に大切だという事。
たった一回の遅刻からルーティーンが狂い、関係も修復していく事が困難になる。
大きな損害に気づいた時には手遅れになってしまう。
今回、一年間の契約の半分にも満たない期間で去る事になった理由の一つはそうした自己の怠慢に対するけじめです。

ビニールハウスの建設。
自分は明らかに個人技タイプだと決めつけていた先入観からか、慣れないチーム戦での作業は、当初困難を極めた。
しかし、慣れてくると、明らかに人数をかけた方が効率がよいのは明白で、各自の特性を見極め、いかにストレスなく仕事を分担し、何よりも皆んなが気持ちよく仕事できるにはどうしたらいいか考えるのがとても善い勉強になった。

大好きな土と野菜と触れ合う時間。
ただ好きと言っても、ひとつのパートに時間をかけていたのでは、先へは進めない。
皆んなより仕事が遅い悔しさから、頭と手をフル回転させながらでも、ついていくのがやっとでした。
けど、一番記憶に残っているのは、そこで人と話した内容だったり(笑)


有機農業を通してのイベント事。
何よりも、大きな収穫はこれかもしれない。
本当に伝えたい事を皆んなで共有して、交流してできた和。
色んな分野で自然の大切さを軸に、時には、意見がぶつかり合って失敗することもあるけど、それは、成功に大きく近づいている証拠だから。

集団生活で得た技術。
最初、一番心配だったのが、この集団生活。
一人暮らしが長かったせいか、自由気ままに生活してきた自分にとっては、常に集団社会にいるというストレスが苦しかった。
しかし、逆境だからこそ、得る事も多く、苦手だった人間関係に関しても今では、かなり楽に考えれるようになった。料理も皆んな上手だから腕も上がった。

食べる事を本気で考える。
農業は、食を支えている。
人間は、生命を維持する為にどうしても食べる行為が必要。
それは、同時に食べられる側は犠牲を伴うという事で…。
そんな当たり前の事も、スーパーや、コンビニ、レストランで商品を食らっているだけでは考える事もしなかっただろう…
感謝して、残さず食べる。

厳冬を乗り越えて。
これまで複数のスキー場などで働いてきた経験もあって、雪には慣れていた。
しかし、雪を商売にするスキー場とは、打って変わって生産者にとっては、いい事がない。
この間、ハウスが潰れないように雪かきをしたりと、視点が変わるとここまで厄介な存在になるとは思わなかった。

養鶏を通じて。
動物虐待だと反感していたが、厳冬期などは、米はもちろん野菜も収入の軸になるほど出荷できない状況だ。この土地で農業で会社を運営していくには、生き残る術として理解せざるをえない。
自分もまだ完全なマクロビではないので卵も鶏肉も食べている時点で、反論もできない。
殺生だけは、最後まで断りきったけど、食肉してる時点で自分も同罪だ。
けど、ここの卵は、餌にこだわっているだけあって本当においしかった。鳥さんにも感謝。

山を切り開く開拓団。
木を一本切るのも、最初は、心が傷んだもの。
しかし、一度人間が手をかけた山は、手入れが必要だと学びました。
地面に日が当たるようになると、新しい命が活性してくる。
それを実感するには、至らなっかったけど、電気やガスに変わるエネルギーを間伐材に代換していく事ができたら、山も活性して、山村での雇用もできていいのにな…理想論でしょうか。


まだまだ、一回のブログでは載せきれないくらい写真がありますが、この神石高原で学んだ事は、これから気づいていく事も沢山あると思います。
そして、再び、パワーアップした状態で、風天ファームは胎動を始めています。
今年春から改めて福山で始める畑は、今まで吸収したものを実践するキャンパスであり、へたくそなりに、自然農、有機農法という自分なりのアートを描いていこうと思います。

会社でお世話になったみなさん。短い間でしたけど、ありがとうございます。
尚、会社を去っても、しばらくの間、神石には、米作りをしに、勉強をしに、通うつもりです。
今後共、善いお付き合いができる様、よろしくお願いします。

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