2014年7月14日月曜日

野口のタネの野口先生

先週土曜日7/12野口種苗研究所の野口勲先生の講演を聞いて来ました。

野口先生(写真真ん中)は、日本で唯一「固定種」のタネだけを扱う野口のタネの三代目店主さんです。

漫画家、手塚治虫氏の代表作の一つ「火の鳥」の総編集者をもしていたというビックリな経歴をお持ちの先生は、話しの脈絡や、構成がとても面白く、4時間弱に及ぶ単独講演にも関わらず、最後まで、とても楽しく勉強させていただきました。

さすがに、内容にも厚みがあり、一度のブログで全てお伝えする事は、少々難を極めますが。

そこで、今回は、その中でも、僕が最もお伝えしたいと思ったF1種子の事実と少子化の仮説を、噛み砕いて説明していきたいと思います。


まず、種には、大きく分けて
自然界でほとんど姿を変える事なく存在する
「在来種」

種屋が、その固体を守り続けてきた
「固定種」

複数の植物を品種改良の為に人為的に交配させた
「F1種」

に分けられます。


そして、現在の主流…店頭に並び、皆さんが口にしている野菜の、ほぼ全てが、F1種一色に染まっています。

これは、農家が、生産、出荷をする際に、全ての品質を均一に揃えた方が効率が良いし、消費者は、見た目で野菜を選ぶので、必然的に広まりました。

しかし、自分も含めて、普段、何気なく口にしているし、種を蒔いていたF1種について詳しくルーツを知っている人は、極めて少ないのではないかと思い、今回は、F1種についてお伝えしてまいります。


そもそも、品種改良とは、同じ科目で、違う品種の植物同士を掛け合わせて、作られます。

昔は、母体となる作物のオスをパートのおばちゃんがピンセットで全て取り除き、掛け合わせる父となる花の花粉で実を結ばせてタネをとっていましたが、これでは、途方もない作業だし、人件費も掛かります。

そこで、たまたま異常発生して出てきた雄花♂(花粉)の出ない、「雄性不念」という特性をもったものに注目が集まります。

最初から花粉が、出なければ、オシベを取り除く手間がいらないからです。

あとは、大量のCO2とミツバチを使って受粉させる。
ミツバチは、役目が終われば、巣ごと焼き払われます。

そうして、あらゆる科目の「雄性不念」の母体は、品種改良においてとても便利だったので、一気に増やされました。

「雄性不念」とは、人間で言えば、「無精子症」という事です。

これは、細胞内にある、ミトコンドリアの外壁に、異常があると起こるそうです。

植物の細胞には、光合成をする物資があるけれど、構造は、動物の細胞とも良く似ています。

植物の場合、一つの株でオスとメスが存在する、雌雄一体の物がほとんどですので、異常発生でオスがおらず、メスだけで生まれても、他の花粉がつけば、子孫を残す事が出来ます。
動物は、そうはいきませんが…。

そうして、増やされた子供達にも、「雄性不念」の先天性がつきます。

その存在により、飛躍的に開発されたF1種子は、すべて無精子症の親を持っている事になります。

人間の体は、食べた物だけで出来ています。

そんな、食べ物を食べ続け、今では、年々、人間の精子の数が、目に見える速度で減少しているそうです。

明らかに、少子化問題の根源の一つは、ここにあると思うのですが…

しかし、野菜の市場は、これで成り立っているので、文句を言う人はほとんどいません。

そういう野菜を食べている消費者にも知る権利は、あるのではないかと、思い発信に至りました。


そんな中、種は、買う事が当たり前の世の中になってしまっていますが、元々は、自然と、農家が、大事に残して来た物です。


気づきを得て、今、改めてタネをとる動きも、少しづつ広まっています。

偶然にも、本日種蒔き機が届いた風天天然農園でも、少しづつ、雄性不念がはびこる前の、固定種、在来種のタネを集めて増やしていこうと思いました。

なかなか、一人では思い通りにはならない事が多いですが、周りに支えられながら、今日も、命があり最高の一日を過ごしています。
感謝。

またの更新でお会いしましょう!

Peace!


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